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2025年 研究会




国際島嶼教育研究センター第245回研究会


多様な歴史資料から考える沖永良部の近現代
伴野文亮(鹿児島大学法文学部附属「鹿児島の近現代」教育研究センター)
2025年1月20日(月)16時30分 鹿児島大学 郡元キャンパス 総合教育研究棟5階

参加(会場・オンライン)には事前登録が必要です → 参加申込方法はこちら

[要旨]

本報告は、沖永良部島の近現代史の叙述について、多様な歴史資料を分析対象とすることで提示しうる新たな枠組みの可能性を試論するものである。

沖永良部島における歴史研究をめぐっては、近年各方面で新たな展開が隆起している。例えば、和泊町では町制施行80周年記念事業として2021(令和3)年度から新しい町誌を作るための「和泊町の歩み編さん事業」が始まり、2024(令和6)年5月に『和泊町の歩み』が刊行された。また、知名町でも町制施行80周年を記念する事業の一環として2024年度から新町誌編纂事業がスタートし、2026(令和8)年度までに新町誌が制作される予定である。知名町ではさらに、鹿児島大学法文学部附属「鹿児島の近現代」教育研究センターと連携して、故弓削政己氏が遺した膨大な文献資料を今後数年間かけて整理・公開していく計画が進行中である。このほかにも、沖永良部島出身者が日露戦争に従軍した際に認めた日記を分析した平井一臣氏による研究など、同島の歴史研究は活況を呈している。

以上のように、近年の沖永良部において歴史研究が進展しているさなかにあって、今後どの様な点に留意して同島の歴史研究、とりわけ近現代史像の深化を試みていくべきか。本報告では、同島に遺る多様な歴史資料を分析対象とすることでうかがえる、沖永良部の近現代史像をより豊かに掘り起こす可能性を考えてみたい。

図1. 山口誓子句碑

図2. 汐干す母の像