龍郷町秋名のアラセツ行事に関する覚書
町 泰樹(鹿児島高専一般教育科)
2026年1月26日(月)16時30分 鹿児島大学 郡元キャンパス 総合教育研究棟5階
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[要旨]
奄美大島龍郷町秋名では、旧暦8月の初丙の日に、ショチョガマと平瀬マンカイが行われる。ショチョガマは日の出前から明け方にかけて行われ、集落の田園地帯を望む山の中腹に建てられたショチョガマ(前方2本の支柱で支えられた片屋根の藁葺小屋)に稲魂を招き、男性たちがショチョガマの屋根を揺らしながら倒壊させる行事である。平瀬マンカイは、昼過ぎから夕方にかけて行われ、海岸にて男女らが向かい合う2つの岩の上で唄を掛け合い、海の彼方からやってくる稲魂を招く行事である。これらを合わせてアラセツ(新節)行事という。
本発表では、2025年9月に観察したアラセツ行事について報告し、先行研究を整理・引用しながらアラセツ行事がどのようなコスモロジーをもつ行事であるかを検討する。また、現在のアラセツ行事は、例えばショチョガマの設営に集落外の人手を頼りつつ、ショチョガマの屋根に集落外の人びとが乗ることができるなど、その一部を集落外に開放している。また、国指定の重要無形文化財に指定していることから、集落内外から人びとが集まる機会にもなっている。こうした現状を踏まえたうえで、観光資源としての側面や伝統文化の継承のあり方についても検討したい。
図1.ショチョガマ
図2.平瀬マンカイ(神平瀬)