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センター長より


鹿児島大学国際島嶼教育研究センターは昭和56年に南方海域研究センターとして産声をあげ、その後昭和63年から南太平洋海域研究センターおよび平成12年からの多島圏研究センターという組織を経て、平成22年に改組・スタートした長い歴史のある研究センターです。この約40年間、アジア太平洋の島々を対象に多くの貴重な研究成果をあげてきました。国際島嶼教育研究センターは4名の専任教員と1名の特任教員で構成されており、加えて約60名の多様な学部などに属する兼務教員と共に研究活動を行なっています。主な研究の目的は島嶼における環境変動による自然や文化に対しての影響を把握し、その影響を解消するための適応策を提言し、提言された適応策を実施することです。なぜ、このような目的を掲げているかというと、島の環境は大変脆弱で、些細な変化にもその自然や文化・社会は影響を受けることが知られているからです。つまり、島嶼環境は大陸より先に環境変化にさらされる可能性が高いのです。また、島嶼環境を研究する点に大変重要なコンセプトがあります。それは「島は自然の実験室」というコンセプトです。化学や物理の実験室で得られた結果がモデルとして、より広い範囲に利用できるように、島で起こった問題とその解決策は、その後大陸でも起こりうる問題とその解決策のモデルとして応用できると考えられています。地球上では、環境問題、環境保全、領土問題、人口問題あるいは最近ではSDGsなどの問題が近年特に顕著になっています。これらは島嶼環境でも多々みられる傾向であり、島嶼環境における解決策が私たち人類の生存に関わる可能性もあるのです。皆でこのような事象を考察しませんか。

令和4年6月30日

センター長 高宮広土


沿革


鹿児島大学は、法文・教育・理・医・歯・工・農・共同獣医、水産の9学部からなる総合大学です。本土最南端の大学という地理的な特色と先人の築いた調査研究の伝統をいかしつつ、鹿児島大学の 研究者は、人文・社会・自然のそれぞれの学問領域で、南西諸島・台湾・フィリピン、そして東南アジア・オセアニアへとつづく南方地域について多くの調査研究をおこない、成果をつみかさねてきました。

このような研究の蓄積を背景に、より総合的・学際的な調査研究 活動の推進をめざして、昭和52年 (1977) には、学内の将来計画検討委員会で南方地域総合研究センター構想が討議され、南方地域に 重点をおく地域研究センターの創設が検討されました。その結果、昭和55年(1980)4月には、南方地域総合研究セン ターが設置されました。翌昭和56年(1981)4月には、それまで学内措置施設であった上記南方地域総合研究センターは、文部省令による学内共同教育研究施設としての南方海域研究センターとなりました。その後、昭和63年(1988)4月には南太平洋海域研究センター(南海研、Research Center for the South Pacific)に、そして平成10年(1998)4月には多島圏研究センター(多島研、Research Center for the Pacific Islands)に生まれ変わりました。

平成22年(2010)3月をもって一つの区切りをつけ、あらたに同年4月から国際島嶼教育研究センター(島嶼研、Research Center for the Pacific Islands)が発足し、学内共同教育研究施設として、これまでの研究成果を引き継ぎつつ、新たな目標を掲げて活動を開始しています。また、平成27年(2015)4月には奄美市に国際島嶼教育研究センター奄美分室を新たに設置し、島嶼研の英語名称をInternational Center fot Island Studiesとしました。


アクセス


〒890-8580 鹿児島市郡元1-21-24
鹿児島大学 国際島嶼教育研究センター

Tel: 099-285-7394
Fax: 099-285-6197
E-mail: shimaken@cpi.kagoshima-u.ac.jp
鹿児島大学 郡元キャンパス 総合教育研究棟 5階