国際島嶼教育研究センター
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ミクロネシア地域における自然・社会環境と
人々の生活に関する調査
平成23年度 写真集(ロマヌム島)

目的・メンバー・調査内容   ・報告会   ・調査結果   ・写真集


調査風景  ・ピス  ・ロマヌム(概要食べ物人びと  ウェノ


●以下は、ロマヌム島における様子をご紹介します(Copyright 島嶼研 山本宗立)

ロマヌム(概要食べ物人びとページトップへ
概要
ロマノム島を目指して出発。観光局局長自ら船を操縦してくださいました。 ロマノム島


おー、着いたなー、というメンバー 自分たちで持ってきた米やラーメンをとりあえずの晩飯に


泊まらせていただいた場所。あるクランに属するミーティングハウス。筵を敷いてみんなで雑魚寝。 そばの家のトイレを借りましたが、小さいほうはそのあたりに・・・


島のひとびとがこれから漁に行くようです 自家消費もしますが、ウェノ島へ魚を売りに行きます


島唯一の浜 その浜で、侵食により倒れるココヤシ

ロマノムは島の中央に起伏があり、このような坂をあがっていきます。上から水が流れてきますので、そのような場所は洗濯場ともなります。


小学校 家屋の周りはパンノキ、バナナ、ココヤシなどが生え、鬱蒼としています


調査中、急に大雨。 ソーラーパネルを入れている家も。この島は水道・ガス・電気はありません。が、ジェネレーターやソーラーパネルなどで電気をとったり、簡易ガスコンロ(プロパン、ケロシンなど)を用いて料理をすることもあります。


ナマコ( nifen )を茹でて→ 燻す。重要な現金収入源です。このナマコは12$/kgで売れるようです。値段はナマコの種類によってずいぶん違いました。詳しくはピス・ナマコを参照


調査をしていると、どこからともなく子供たちが集まってきます


世帯調査風景 子供の水浴び


帰る時。皆様本当にありがとうございました。

記念撮影
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食べ物
パンノキ(Artocarpus spp.)。ロマヌムでは mei 。少なくとも11種類あるようです。ロマヌムでは shukshuk (搗くこと)という料理方法によるパンノキ料理をいただきました。まずパンノキの果実を細かく切って茹で蒸しにし、できあがったものをココヤシの葉の基部で搗きながら、ココナッツミルクを加えていきます。そのほかの料理方法については、ピス・食べ物編を参照してください。
何をはじめるのかと思えば→ パンノキの果実を茹で蒸しにし


ココヤシの葉の茎の根元で軽くついていきます


ココヤシの葉が出た根元にある樹皮を取り→(下へ)


ココヤシの胚乳を削って水を加えたものをつつみ、しぼります。つまりココナッツミルクをしぼっているのですが、濾し器などを使わない伝統的なやりかたです。


私たちも体験させていただきました


できあがり さて食する時間。まるで栗きんとんのような味です。砂糖を加えるとまさにお菓子。とてもおいしかったです。
コン( kon )も作っていました。パンノキの果実を茹で蒸しにし、熱いまま木の台に置き、サンゴで作った搗き棒で搗きます。はじめはこねますが、だんだんと餅つきのようにリズミカルにたたいていきます。パン、パン、あるいは、カン、カン、といういい音が聞こえてきます。村を歩いていても、遠くからその音が聞こえてきて、コンを作っているな、とすぐにわかります。
茹で蒸しにしたパンノキの果実を熱いうちに台に少しずつのせていきます。少しつぶしては、また熱い果実をいれていく、を繰り返します。


十分な量になると、はじめは捏ねるようにします サンゴ(たぶん枝サンゴ系)の搗き棒


パン、パン、と力強く搗いていきます できたら丸く整え、パンノキの葉の上に乗せます


くるっとつつみ→ 出来上がり(上)


他の家もパン、パン、と kon を作っていました そして包む
その他の食事
ある日の食事。内容を見てみると→ uch fair (バナナをすり潰し、入れ物にいれて茹でたもの)。ココナッツミルクを煮詰めたものがかけてあります


ror (dipen(パンノキの果実を切って茹で蒸しにしただけのもの。詳しくはピス・食べ物編参照)にココナッツミルクを煮詰めてかけた料理) もっていったラーメンには空芯菜(ヨウサイ、Ipomoea aquatica)(ロマヌムでは seri と呼ばれていました)の茎葉が入っていました。


ある日の食事には、パンとラーメンがでてきました パンノキの生果実をスライスしたものを持っていました。どうするのかと思えば(左下)


小麦粉に塩を加えて、パンノキのスライスをそれにつけて揚げていました。ポテトチップスならぬ、パンノキチップスです。この島ではお酒を飲むことが許されていませんが、お酒に合いそうな料理でした。


軽く揚げた魚 ror と一緒にいただきます。


左の器に入っている液体は、水・塩・キダチトウガラシ(Capsicum frutescens)のみの、unuken と呼ばれるものです。そのまま冷製スープとして飲んでもいいし→ 揚げ魚などのつけだれとしても使うことができます。
植物関係(詳しくはピス・食べ物編参照
バナナ(Musa spp.)。ロマヌムでは uch 。やはり重要な作物です。10種類聞き書きできました。 Cyrtosperma merkusii (ロマヌムでは puna )。こちらは2〜3種類しか聞き書きできませんでした。



ココヤシ(Cocos nucifera)(ロマヌムでは nu )。6種類あるようです。右上のように、金属の突起に果実を当てて外皮を剥き、ナイフで口を開け、飲みます。熟した果実の胚乳もココナッツミルクとして利用します。


パンダヌス(Pandanus sp.)。ロマヌムで fach 。二種類あるようで、一種はそのまま食べると口の周りがかゆくなるそうです。 タシロイモの仲間(Tacca sp.)。他地域では食されますが(あるいは過去に食していましたが)、現在ロマヌムでは食べないようでした。


キダチトウガラシ(Capsicum frutescens フトモモ科(Syzygium sp.)の果物1。 これは fareap と呼ばれていました。


フトモモ科(Syzygium sp.)の果物2。 これは apen と呼ばれていました。 柑橘(Citrus sp.)。このような大型のものは kurukur と呼ばれ、ライムのような小型のものは naimis と呼ばれていました。


パイナップル。 クサトケイソウ。ウェノにも同じものがありました。


空芯菜(ヨウサイ、Ipomoea aquatica)(ロマヌムでは seri と呼ばれていました)。 Cnidoscolus chayamansa (?)。chaia と呼ばれ、葉を野菜として利用していました。
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人びと
調査でお世話になったロマヌムの人びとです(写真は一部ですが)。この場をお借りして、感謝の意を表します。誠にありがとうございました。

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(以下の競争的資金の一部を使用して研究調査をおこないました)
「ミクロネシア連邦でのデング熱媒介蚊の分布調査と予防対策のための地域社会調査」(科学研究費基盤C、代表者:野田伸一)
「南太平洋島嶼沿岸域における「人と自然の連動システム」に関する学融的研究」(科学研究費基盤B、代表者:河合 渓)
「グローカル地域社会−東南アジア島嶼部と太平洋域との協働・架橋−」(京都大学東南アジア研究所 共同利用・共同研究拠点 「東南アジア研究の国際共同研究拠点」 平成22年度共同研究、代表者:山本宗立)




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