[要旨]
学問分野には、独自の雑誌、ハンドブック、協会、会議、学位プログラム、推薦図書が必要である。「島嶼学」は、現在、これらすべてを備えている。島嶼学には独自の「研究方法の入門書」も用意されている。それには(特に小さな)島や島民について、島民のために、島民とともに研究を行う際の特別な課題を説明している。この入門書は島の条件である「島性」に注目している。これは、それ自体では何も引き起こさないが、行動やシステムを特定の方法と方向に誘導することができる。したがって、小さな島のシステムでは、経済的独占、社会的親密さ、政治的全体性といった性質が、より大きな本土では通常見られない、独特の「小ささの生態系」を構築している。
本発表では、人類学者マーガレット・ミードの先駆的な著書『サモアの思春期』(1928年)からまもなく100年を迎えるにあたり、「島嶼学」の進化の一端を紹介する。特に、島が、退屈で忘れられた周辺地域でありエキゾチックな研究対象から、人新世の中心的かつ象徴的な存在に、そして1945年以降の国際世界秩序の国際関係における主体へと変化していく過程をたどっていく。
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