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国際島嶼教育研究センター第238回研究会 2024年4月22日(月)16時30分 総合教育研究棟5階
鹿児島県南西諸島在来カンキツ類の機能性探索
坂尾こず枝(鹿児島大学農学部)
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[要旨] 鹿児島県の南西諸島には、特定の地域でのみ栽培されているカンキツ類がある。これらのカンキツ類の多くは南西諸島特有のものであり、特徴的な機能性成分を含有している可能性がある。例えば、沖縄県で有名なシークワーサーは、ダイエット効果で知られるポリメトキシフラボノイドを豊富に含み、商業的に利用されている。つまり、これらのカンキツ類の極めてユニークな成分や生理活性を解明することは、南西諸島在来のカンキツ類に新たな価値を生み出し、利用促進に繋がることが期待される。 これまで発表者の研究グループは、南西諸島在来カンキツ類について、抗酸化作用、美白作用、がん予防作用などの生理活性を調べてきた。本発表では、これらの成果の概要を紹介するとともに、特に抗肥満作用と血糖値上昇抑制作用に焦点を当てた研究結果を提示する。 α-グルコシダーゼ阻害活性およびリパーゼ阻害活性の評価による血糖値上昇抑制効果および抗肥満効果の検証では、喜界ミカンおよびクネンボに高い酵素阻害活性が認められた。また、喜界ミカンとクネンボはカイコの糖尿病モデル実験においても顕著な効果を示した。実験の結果、特に喜界ミカンにはインスリンと同様の血糖降下作用があり、脂肪体内のグルコースも増加させることが確認された。今後、より詳細な機能性成分の分析を行い、モデルマウスを用いて抗肥満・抗糖尿病効果を検証する。
図1:本研究の目的と概要
図2:機能性評価に用いた南西諸島在来カンキツカンキツA:ウンシュウミカン「大津4号」カンキツB ~ H:南西諸島在来カンキツ(キカイミカン, クネンボ, ケラジミカン, コズB, シークニン, チナゼクニン,トゥヌゲクニン(順同))
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