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国際島嶼教育研究センター第221回研究会 2022年7月19日(火)16時30分 総合教育研究棟5階
稍深発地震の発生領域における緑泥石の高圧実験とその観察
山内幸子(鹿児島大学国際島嶼教育研究センター)
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[要旨] 稍深発地震は、沈み込み帯のプレート内部(約60~300kmの深さ)で発生する。これは、理論上地震が起こるはずのない領域で起きており、その原因は未だ明らかにされていない。鹿児島県の島嶼部もフィリピン海プレート沿いに位置しており、1911年にはM8.0と推定される稍深発地震が起こっている。地震の原因についていくつか有力な仮説はあるが、検証にはいたっていない。そこで、緑泥石が存在する領域と稍深発地震の発生する領域がほぼ同じであることから、緑泥石のふるまいが原因なのではないかと仮説を立てて実験を行った。今回の発表では、稍深発地震が発生する領域における緑泥石の構造変化について紹介したい。 緑泥石とは、層状に重なった緑色の鉱物である。その重なり方の違いで、性質が若干異なり、ポリタイプという細かい種類に分けることができる。緑泥石は高圧条件下で、あるとき急に一つ一つの層の重なり方がずれるような変化をすることが分かっている。この変化の中には、ポリタイプの変化を伴うものもある。また、このポリタイプの変化に伴ってAcoustic Emission(AE)という地震波に似た波の発生回数やそのエネルギーの大きさが大きくなることが分かっている。つまり、緑泥石の動きが地震波のような波を発生させているということだ。しかしこれらは室温でのデータであるので、稍深発地震が起こりうる高温高圧条件下でも不連続な構造変化やAE活動が起こるのかを検証した。

図1:緑泥石

図2:実験装置
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