国際島嶼教育研究センター
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科学研究費基盤B 平成24〜26年度
ミクロネシアの小島における
社会関係資本連携型のデング熱対策実践
地域の紹介(写真集)(ポンペイ州ピンゲラップ環礁/Pingelap Atoll, Pohnpei)

概要   ・活動   ・成果発表   ・地域の紹介(写真集)

ピス島(チューク州)  ピンゲラップ環礁(ポンペイ州)

●ピンゲラップの説明(準備中)
(準備中)



●ピンゲラップの位置
ピンゲラップの位置(模式図)
ピンゲラップの衛星写真(Google Earthより転載)



●ピンゲラップの写真(Copyright 島嶼研 無断掲載・転用をお断りいたします)

ピンゲラップ(調査風景食べ物祭り人びとページトップへ
概要
ピンゲラップ環礁(遠望)。 飛行機の中。一番前の左側が操縦席です。


到着。乗ってきた8人乗り飛行機。 メイヤー代理と打ち合わせ

真ん中がメイヤー代理


滑走路のそばにゲストハウス(と呼んでもいいかどうかわかりませんが)が1年前に作れられ、そこに宿泊いたしました。 食事をする小屋。


寝床です。


島を一周します。島のメインロード 綺麗な海とカヌー


海水を淡水化する装置(どこかからの寄付です) 小学校。屋根にはたくさんのソーラーパネル。これも寄付されたものです。


豚をあちこちで飼っています 植物調査


海岸の景色1 海岸の景色2


伝統的なカヌーで漁に出かける様子 陸蟹


メインロードに戻ってきました 役場


鰹を開いてから干していました。まるでビーフジャーキーのようになっていました。でも食べると、お魚のいい匂い・味がしました。ビールのおともといったところでしょうか。


釣りをする男性 夕焼け


一度夜の漁にご一緒しました。銛つき漁です。熱帯とはいえ、肌寒かったです。漁が終わると、魚を処理しながらBBQの用意です。ココヤシの硬い殻を使います。火力が強く、また火持ちもよく、そしてすこしココナッツの香りがする。とてもいい燃料だと思いました。自分たちで突いた魚をその場で食べる。とてもおいしかったです。


ここからは実際に調査風景です。まずは蚊の幼虫採集。ココナッツの殻、空き缶、小さな容器、水タンク、ドラム缶等に蚊の幼虫がいるかどうか確かめ、いた場合は採集します。また容器の種類・大きさ・場所などを書き留めていきます。


次に蚊の成虫調査です。一箇所にとどまり、一定時間にどれくらい蚊が飛来してくるのか調べました。とはいっても、網をもって、飛来した蚊を捕まえる、という作業です。温度や湿度、風の情報なども取りました。採集した成虫はアルコールに固定しました。ピス島でもどうようにおこないました。


古いボートの中や、ある池には淡水魚(メダカの仲間?)がいました。過去に水質を向上させる目的で導入されたようです。もし淡水魚が水タンク等にいれば、ぼうふらを食べるため、蚊の発生を抑制することができます。淡水魚をあちこちの水タンクに導入する可能性を探っています。


世帯調査の風景


植生調査 土地の区分も調査


デング熱の予防策を啓蒙するため、デング熱に関するDVDを島の人に見てもらいました。また、ピンゲラップ島に分布する蚊の種類、そのうちどの種類がデング熱のウィルスを媒介するか、などの簡単な説明をおこないました。総計100人以上が参加してくださいました。


暑い中帰ってくると、やはりココヤシのジュースが飲みたくなります。


さて、おわかれのときです。花輪や首飾りをいただきました。伝統的酋長代理やメイヤー代理とも記念撮影。

集合写真
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食べ物
パンノキ(Artocarpus spp.)。ピンゲラップ語では"mei"。少なくとも6種類ありました。
パンノキの果実 種類によっては葉の形状が大きく異なります


果実の皮を剥き、切っていきます ココナッツミルクで煮込む


ココナッツミルク煮 薄くスライスしたものを揚げた料理

lihli (果実を直火で焼きし、ココヤシの葉の軸でさし、やわらかいと準備完了。皮をむき、つぶして、まるめる。ココナッツミルクをかけてできあがり)
Cyrtosperma merkusii (英語でgiant swamp taroといいます)。ピンゲラップ語で"mweiang"。聞き書きでは8種類確認できましたが、実際に何種類栽培しているかはわかりませんでした。
左の人びとと比べても大きいことがわかります 茹でたもの


すりおろし、バナナの葉でくるみ、水でゆでる、砂糖とココナッツミルクを加え、搗いてできあがり ドーナッツ状にしたもの
バナナ(Musa spp.)。ピンゲラップ語で"wis"。聞き書きでは8種類確認。
一品種 また別の品種


ココナッツミルク煮 小麦粉とまぜて揚げたもの
ココヤシ(Cocos nucifera)。ピンゲラップ語で"nih"。暑い中調査したあとの未熟果の果水は五臓六腑にしみわたりました。熟した果実は豚のエサにも用いられていました。
木に登り→ 果実をもぐ


もいだ果実 先のとがった鉄棒で皮を剥く


飲み口をあける そして、飲む


まずココヤシの胚乳を鉄棒の先で削る 水に加えてもむ(準備完了)


料理に用いる(このときはバナナを煮るときに用いていた。ざるを通すことにより屑が中にはいらない)


豚のエサ用 熟した果実。中のふわふわした部分をたべてみると、lほんのり甘く、ココナッツミルクの風味でした。
その他
パンダヌス(Pandanus sp.)の熟した果実 一房をむしりとり

しがむ(この写真はモキールにて)。甘くて、どこかメロンのような香りがして、おいしいです。 ここから食べた魚シリーズ(揚げ魚)


刺身(鮪) 魚のココナッツスープ、キダチトウガラシの葉入り



キダチトウガラシ(このように灌木状になります)) 未熟なときの果実の色が黄緑色(上)と緑色(下)の二種類確認できました


刺身や揚げ魚などをつけて食べる「たれ」(キダチトウガラシ、塩、醤油、柑橘の果汁など。お好みで胡椒や味の素、ニンニクなども加える) そのたれをなぜかぺろぺろ舐めていた女性。口寂しかったのでしょうか。
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祭り
 (この情報は2010年に私たちが滞在したとき)
 たまたま祭りがありました。「mar」という料理を”(一年のうち)はじめて”食べる儀礼です。この祭りの前までは、自由に食べてはいけません。祭りの後、各家庭で自由にmarを食べることができます。marはパンノキの果実を発酵させたものを用いた料理です。
 まず発酵方法。パンノキの果実の皮を剥き、切って、袋にいれて海水に2〜3日浸す→陸にあげて放置して海水を抜く→地面に穴を掘って、葉を敷き、果実を入れる→一週間後にあけてもむようにして柔らかくする(あと2回おこなう)→発酵がすすむ
 次にmarの作り方。発酵果実を取り出し袋にいれ水で洗う(にごりがなくなるまで)→練る→ココナッツミルクを加えて混ぜる→ココヤシの葉などで包み地炉で蒸し焼きにする
パンノキの果実の皮を剥き、切る 海水に浸けたあと


地面に掘った穴に埋める


最後に石を置く 出来具合を確かめる


次の日に備えて、取り出す 練る


ココナッツミルクを加えさらにまぜる できあがった生地


ココヤシの葉、オオタニワタリの葉、バナナの葉を順に敷き、生地を置いて形作る


ココヤシの葉を使って見事に編み上げてゆく


編みあがったもの 珊瑚をココヤシの殻などを燃やし熱しておく。地炉(uhmw)。


先ほど編み上げたものを運び地炉に運ぶ


パンノキの葉、クワズイモの仲間の葉、バナナの葉をかぶせる

周りを砂で覆い、蒸し焼きにする(2時間ほど) 出来上がり。実は祭りは品評会も兼ねている。


有力者たちが審査。実は訪問者である僕たちも「味」の評価を下す審査員となりました・・・。 品評が終わった瞬間、人びとが集まって、均等に切って分配。


そして・・・みんな待ち構えていたかのように、「貪り食う」という表現はよくないかもしれませんが、男性が一斉に食べ始めました。


こんな小さい男の子も手にもっています 女の子は生のカツオをあてに、がぶり、がぶり
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人びと
調査でお世話になったピンゲラップの人びとです(写真は一部ですが)。この場をお借りして、感謝の意を表します。誠にありがとうございました。

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この調査研究は「ミクロネシアの小島における社会関係資本連携型のデング熱対策実践」(科学研究費基盤B、代表者:長嶋俊介、課題番号24402006)の成果に基づいています。




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