国際島嶼教育研究センター
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科学研究費基盤B 平成24〜26年度
ミクロネシアの小島における
社会関係資本連携型のデング熱対策実践
地域の紹介(写真集)(チューク州ピス島/Piis-paneu, Chuuk)

概要   ・活動   ・成果発表   ・地域の紹介(写真集)

ピス島(チューク州)  ピンゲラップ環礁(ポンペイ州)

ピスの説明(準備中)
(準備中)



●ピスの位置

ピスの位置(模式図)
ピスの衛星写真(Google Earthより転載)



●ピスの写真(Copyright 島嶼研 無断掲載・転用をお断りいたします)

ピス(調査風景食べ物(特に作物)海産物人びとページトップへ
概要
ピス島へ向かう調査隊 目印の小島Pisiras Island(ウェノから10分くらい)


次の目印の島Fanang’at Island(ウェノから30分くらい) やっとピス(Piis-paneuというのが正式名称)に到着。ウェノから約1時間。


珊瑚礁の口を通ると、海はこのようなエメラルドグリーン。とても綺麗な島です。 透明度も高い


遠くに見える小さな島もピスに属する島々。 島に上陸すると、子供たちが集まってきました。貝を売ろうとしているようです。


島を歩いていると、まあココナッツをどうぞ、となります


小学校 8月は夏休み


教会。島に1つだけ。カトリック系です。 とあるミーティングハウスでゲームをする人びと


伝統的な家屋。ほとんどがココヤシの葉でできています。


蚊の採集をしていると、子供たちが集まってきます。こっちにある、あっちにもある、とどんどん探してきてくれます。


発電機で灯りをともし、夜蚊のサンプル処理をおこないます。


蚊の幼虫がいるか、容器の種類・位置、まわりの植生などを書き留めていきます


伝統的な土地の名称を聞き取ります 調査をしているとやはり子供たちが寄ってきます


デング熱の予防策を啓蒙するため、デング熱に関するDVDを島の人に見てもらいました。また、ピス島に分布する蚊の種類、そのうちどの種類がデング熱のウィルスを媒介するか、などの簡単な説明をおこないました。総計150人以上が参加してくださいました。 調査をしていると、よく食事にも誘われます。


突然土砂降り。それを利用してベランダを掃除します。ついでにシャワーも。 島の娯楽であるビリヤード。男性たちはいつも夜遅くまで遊んでいます。女性の娯楽はビンゴでした。


メイヤーのお宅。コンクリートの2階建です。ここの2階に宿泊させていただきました。 このように雑魚寝。
井戸で洗濯 井戸で水浴び。ちなみにチュークでは「井戸」も「つるべ」も日本語から借用しています。


海が子供たちの遊び場です


朝焼け お別れのときです。記念撮影。



記念撮影
 ピス(調査風景食べ物(特に作物)海産物人びとページトップへ
食べ物
パンノキ(Artocarpus spp.) Cyrtosperma merkusii  バナナ(Musa spp.) ココヤシ(Cocos nucifera
クワズイモ(Alocasia sp.)の仲間 その他根菜類 蔬菜・果物類 ビンロウ・嗜好品
動物(豚・鶏・犬)
パンノキ(Artocarpus spp.)。ピス島では mai と呼んでいました。少なくとも16種類聞き取ることができました(種子がある品種、つまり2倍体品種が1種類ありました)。茹でただけのもの dipen と、搗いたもの kon を食べる機会がありました。どちらもとてもおいしかったです。
小道の両脇にパンノキやバナナ。島を歩いていると、パンノキの森か、と思います。 長い棒(4〜5mくらい)を持って、木を20mほど軽々と上っていきます。


棒の先はこのようになっていおり、果柄や枝に引っ掛けて果実を落とします。 パンノキの果実1


パンノキの果実2 パンノキの果実3


パンノキには種子がある品種(2倍体)とない品種(3倍体)があります。ピスでは種子がある品種(2倍体)は1つだけでした。その木の下へいって種子を探してみると、芽が出ている種子もありました。2倍体と違い、3倍体の品種は枝などを挿す、つまり挿し木のみで繁殖することができます。その代わり親と同じ遺伝子を持った個体(クローン)しかできません(実際には体細胞突然変異が起こり、親とは違うものが出てきますが)。2倍体の種子は、ゆでたり、地炉で蒸したり、焼いたりして食べたそうです。一度食べていたいですね。


パンノキの皮をむきます(ナイフにて) こちらは排水溝のふた。これでも皮をむくことも。


こちらの男性は→ ココヤシの殻に穴をあけた器具を用いていました


タカラガイの仲間に、グラインダーで穴を開けて、パンノキ果実むき器とすることも 鍋に皮をむいて切ったパンノキ果実を入れます


このように並べ→ ふたをするのですが・・・


ふたはなんとクワズイモの仲間の葉。これが一番いいそうです。 蒸し煮にした果実 dipen 。ほくほくして、サツマイモのようなクリのような、とにかくうまい。


ココナッツミルクをかけたもの。 mwatunen mai 。 おいしそうに食べる男の子


皮付きのまま茹で蒸しにすることもあります。 apwonow といいます。皮に香りがあり、これはこれでとてもおいしかったです。


コン(kon)を作る風景。男性が汗だくになりながら丹精をこめて搗きます。 出来上がったコン(kon)。もちもちとして、dipen とはまた違ったおいしさです。お餅が好きな人は、皆大好きだと思います。


こちらでもコン(kon)を搗いています コン(kon)を食べる女性。食事は基本的に手を使います。魚と一緒に食べると、これまた格別。


ココナッツミルクをかけたコン(kon)1。作ってから2〜3日間常温で置いておいても食べることができます。ただし、1日置くと、すでに発酵が始まり、酸っぱい味になります。これがクセのある味で・・・。 ココナッツミルクをかけたコン(kon)2。思い思いの形に仕上げます。


歩いていると女性が急にどうぞ、と差し出したのもコン(kon)でした。




今度はパンノキ果実の保存食 apot についてです。もともとは地中に埋めていましたが(写真左上)、現在はクーラーボックス(写真右上、右下)やポリバケツ(写真右下)などに入れることも多いです。果実の皮を剥き、袋に入れて上記の入れ物にいれ、保存します。1ヶ月以上したら準備完了。食べることができます。


パンノキ果実の保存食 apot 取り出して、板( kon を作るときに使う nif )の上で捏ねます。中にある硬い部分を取り除き、きれいになめらかにしていきます。ここから3種類の食品が作られます。


1:まず、食品としての apot のつくりかた。先ほど捏ねたものに水を加えて、バナナの葉、パンノキの葉で包み、茹で蒸しにしたもの。写真左下の手前が apot です(奥は次に紹介する marakata )。かなり酸っぱい味です。発酵臭がすごい・・・。

2:marakata 。これは先ほど捏ねたものに「水を加えず」にバナナの葉、パンノキの葉に包んで茹で蒸しにします。その後ココナッツミルクを加えて搗いてできたものが、 marakata です。 apot よりは食べやすいですが、やはり酸味が気になります。

3: apot pupu (真ん中少し右)。これは apot を入れ物から取り出した後、米などの麻袋にいれて、水(または海水)を加えてすすぎます。すると酸っぱい味が抜けます。その後水やココナッツミルクを加えて、葉で包んで茹で蒸しにします。これは上記の apotmarakata に加えて、酸味が少なく、食べやすかったです。
Cyrtosperma merkusii (英語でgiant swamp taroといいます)。ピスでは puna 。聞き書きでは5種類確認できました。芋を茹でて食べるだけではなく、パンノキと同様 kon という料理にして食べる事もあります。
パンノキ(Artocarpus spp.) Cyrtosperma merkusii  バナナ(Musa spp.) ココヤシ(Cocos nucifera
クワズイモ(Alocasia sp.)の仲間 その他根菜類 蔬菜・果物類 ビンロウ・嗜好品
動物(豚・鶏・犬)
puna の畑 男性が棒をもって芋堀り

棒で根を切っていきます ついにひとつ収穫


先に葉を切っておき、棒で芋を掘ります 結構重労働な上、蚊の大群にたかられます


小さめの芋でした。→ この中で、いい茎(太いもの)を選んでとりわけ、→(左下へ)


挿して→ 再生産をおこないます。次の収穫までに2〜3年以上かかるそう


これだけ収穫するのに、数時間かかりました 収穫した芋


洗って茎を取り除きます 茎を取り除いた芋


茎はそのまま豚の餌となります。無駄にならず、すばらしい。 芋を茹でます。


黒ビニール袋をかけ、ココヤシの外皮を重石にしてゆでます 茹でた芋。もそもそし、繊維がつまった食感です。


この芋を突くことにより、コン(kon)にします。パンノキと同じですね。 はじめはすり潰すような動き。


搗き棒は po (faw という珊瑚が原材料)、台は nif といいます。 だんだんと大きな動きとなり、芋を搗きます。が、パンノキ果実ほどもちもちしません。


できたコン(kon)にココナッツミルクをしぼってできあがり。パンノキとはまた違った風味・食感です。
バナナ(Musa spp.)。ピスでは uch 。聞き書きでは13種類確認。
パンノキ(Artocarpus spp.) Cyrtosperma merkusii  バナナ(Musa spp.) ココヤシ(Cocos nucifera
クワズイモ(Alocasia sp.)の仲間 その他根菜類 蔬菜・果物類 ビンロウ・嗜好品
動物(豚・鶏・犬)
バナナの果実 バナナの花。これもスープにいれて食べます。


果実がかなり太短い品種 皮付きのまま蒸す


皮をむき水で煮る


ココナッツミルク煮 皮をむいて小さくして鍋にいれる女性


皮をむいて小さくして鍋にいれる女の子 sukusuk uch 。バナナをココナッツミルクとともに軽く搗いたもの。


バナナを摩り下ろし、香料(色素入り)とまぜて、袋に入れてゆでたもの。
ココヤシ(Cocos nucifera)。ピスではで nu 。未熟果の果水はそのままジュースとして、熟した果実の胚乳はココナッツミルクの原料として利用されます。熟した果実の胚乳は豚のエサにも用いられていました。おいしい豚になりそうだ。
パンノキ(Artocarpus spp.) Cyrtosperma merkusii  バナナ(Musa spp.) ココヤシ(Cocos nucifera
クワズイモ(Alocasia sp.)の仲間 その他根菜類 蔬菜・果物類 ビンロウ・嗜好品
動物(豚・鶏・犬)
木に登り果実を下へ落とします とってもおいしいジュースです


大量に果実をとって→ 未熟なココヤシの果水をあつめます


先のとがった鉄棒で熟した果実の皮(外果皮・中果皮)を剥く


胚乳は硬い殻(核皮)の中に入っています。殻を割ると、中には乳白色の胚乳。果水も入っています。 先をぎざぎざにしてある器具。ここで胚乳を削ります。


がりがりがり、がりがりがり、とリズミカルに削ります。この削ることを pweiker といいます。一見簡単に見えますが、球面をうまく削るのは難しかったです。


胚乳を削ったあと 削った胚乳を集め、水を加えます


そして絞るとココナツミルクのできあがり 削った胚乳は豚の餌にもなります。削っている途中から、ぶひぶひ、と豚が集まってきて、鼻で僕の足を小突いたりします。


これは削ったあと水を加えて、タライに一晩置いたものです。油と水が分離します。上に浮かんだ油のみ回収し、煮詰めると、ココナッツ油 tika のできあがりです。お風呂上りに体や髪の毛に塗ったりします。とてもいい匂いです。
クワズイモ(Alocasia sp.)の仲間。 kya と呼ばれていました。3種類あるようです。クワズイモ類は名前の通り、食えない芋。シュウ酸カルシウム(針状の結晶)を含んでいるため、適切な処理をしないと食べることができません。でもとにかく食べてみたい、とお願いして料理してもらいました。すると・・・処理を誤り、食べてみると、喉の辺りがチクチクチクチク、イガイガイガイガするではありませんか!これはたまらない、と言ったら、「煙草を吸えば症状が軽減する」ということで、普段煙草を吸いませんがふかしてみました。すると確かに軽減しました。なんででしょう???処理さえうまく言っていれば、 puna のように芋として利用できます。
パンノキ(Artocarpus spp.) Cyrtosperma merkusii  バナナ(Musa spp.) ココヤシ(Cocos nucifera
クワズイモ(Alocasia sp.)の仲間 その他根菜類 蔬菜・果物類 ビンロウ・嗜好品
動物(豚・鶏・犬)
クワズイモ(Alocasia sp.)の仲間。 根を切り、芋を引き抜く


引き抜けました 2本目


kyaAlocasia sp.)の芋です。 kyaAlocasia sp.)を2本収穫しました。


さて、皮を剥いていますが、この作業が失敗でした・・・。皮を剥かず、土を少し落とす程度にとどめ茹でていれば、ジゲジエせずにすんだのに・・・。とりあえずおじさんは皮をむいてしまいました。

芋を適当な大きさに切る 見づらいですが、芋の外側から少し中に輪(線)が見えます。この輪(線)から外側がイガイガのもとだから、そこを取り除けば問題がない、とおじさん(問題あったけどね)


さあ茹でる時間 ココヤシの外皮(外果皮・中果皮)などを燃料してして炊きます


結局数時間は炊いたでしょうか あの輪(線)の外側を削り落とします。これで大丈夫、と食べてみましたが・・・。しばらくして、喉の入り口あたりがぴりぴりし始め、あっと思ったときには、口の中がチクチク、ジゲジゲ・・・。煙草を吸えばちくちくを軽減できる!と言われて煙草を吹かすと、確かに軽減しました。不思議なものです。あとで他のおじさんを騙して食べてもらいました。ジゲジゲするとやっぱり嘆いていました。
その他根菜類
パンノキ(Artocarpus spp.) Cyrtosperma merkusii  バナナ(Musa spp.) ココヤシ(Cocos nucifera
クワズイモ(Alocasia sp.)の仲間 その他根菜類 蔬菜・果物類 ビンロウ・嗜好品
動物(豚・鶏・犬)
サトイモ(Colocasia esculenta)。oot と呼ばれていました。3種類あるようです。 サツマイモ(Ipomoea batatas)。poteto と呼ばれていました。そのほか、キャッサバもありました。


Xanthosoma sp. ooten japan と呼ばれていました。「日本のoot」という意味です。日本統治時代に導入されたのでしょうか???こちらは茎は緑色。 Xanthosoma sp. こちらは茎が紫色の系統です。


タシロイモの仲間(Tacca sp.)。ピスでは mwokumwok と呼ばれていました。昔は芋からでんぷんを取って食べていたそうですが、今は食べないそうです。花(左下)、果実(右下)


Pandanus sp. fach と呼ばれていました。こちらは、手でそのまま房をもぐことができる系統。 Pandanus sp. こちらは、果皮が硬く、ナイフでないと房をもぐことができない系統。
蔬菜・果物類
パンノキ(Artocarpus spp.) Cyrtosperma merkusii  バナナ(Musa spp.) ココヤシ(Cocos nucifera
クワズイモ(Alocasia sp.)の仲間 その他根菜類 蔬菜・果物類 ビンロウ・嗜好品
動物(豚・鶏・犬)
キダチトウガラシ(Capsicum frutescens 真ん中)。下はカボチャです。葉に白斑があるため、Cucurbita moschata だと思われます。カボチャは果実だけではなく葉も利用します。そのほかには蔬菜類はほとんどなく、chaia (Cnidoscolus chayamansa)の葉や、トウガン(tonga と呼んでいました)など。また、バジルの一種である Ocimum sp. (warung と呼ばれていました)は、薬やいい香りの花(葉)として利用されていました。 manakini 。熟したココヤシの果水(chenun taka)をまずペットボトルなどにいれて、太陽に晒します。すると酸っぱくなります。そこへ唐辛子やニンニクなどをいれて、また太陽に晒すとできあがり。すっぱ辛い、とてもおいしいソースです。調査隊みんなの愛用調味料でした。


女性がなにやら指につけてぺろぺろ舐めていると思ったら・・・→ 塩にキダチトウガラシ(Capsicum frutescens)をつぶしたもの。口寂しいときにいいのでしょうね。


カボチャ入りのラーメン(右) カボチャをすり、スターチ・砂糖をまぜて、袋に入れて茹でたもの。 pumpkin ammat という料理。もちもちしておいしかったです。


apuuch 。Crataeva speciosa だと思われます。果実(左)、花(右)。果実をいただきましたが、ガス臭い。果肉はカキのような・・・。


タコノキ属植物の下から生えているパパイヤ(kipaw)。島のあちこちに自生しています。雄花はいい香りがするので、首輪等に使うようです。 フトモモ科(Syzygium sp.)の花。apen と fareap の二種類ありました。そのほかの果樹としては、柑橘(Citrus spp.)が2種(kurukur と naimis)、マンゴー(Mangifera indica)、グアバ(Psidium guajava)、パイナップルなどが少しだけありました。
ビンロウ・嗜好品。檳榔(びんろう)噛みはアジア・太平洋に広く見られる習慣です。ビンロウ(Areca catechu)の種子(生あるいは乾燥)に石灰をつけて、キンマ(Piper betle)の葉で包んで口の中に入れます。もぐもぐしていると、キンマのピリッとした刺激を感じるとともに、さわやかな香りが口中に広がります。唾液が真っ赤に染まる。飲み込まず、溜まったらペッと吐き出します。体が少し熱くなったり、お酒に酔ったようになったりします。ピス島ではビンロウを栽培できないようで、ウェノのお店でビンロウ・キンマ・石灰の一式を購入していました。そのビンロウも、ポンペイなどから輸入しているようです。
パンノキ(Artocarpus spp.) Cyrtosperma merkusii  バナナ(Musa spp.) ココヤシ(Cocos nucifera
クワズイモ(Alocasia sp.)の仲間 その他根菜類 蔬菜・果物類 ビンロウ・嗜好品
動物(豚・鶏・犬)
ビンロウ噛み。ビンロウ(poo)の果実を噛んで半分に割り、石灰(pwech)をつけ、キンマ(wanawan)の葉で巻いてもぐもぐします。


タバコです。島で栽培し、乾燥させ、刻んであります。それをバナナの葉を乾燥させたもので巻き、吸います。試しに吸ってみると、フィルターがありませんので、舌がぴりぴりしました。
動物
パンノキ(Artocarpus spp.) Cyrtosperma merkusii  バナナ(Musa spp.) ココヤシ(Cocos nucifera
クワズイモ(Alocasia sp.)の仲間 その他根菜類 蔬菜・果物類 ビンロウ・嗜好品
動物(豚・鶏・犬)
豚。 こちらは子豚。暖かい炉に集まって寝ています。

ウェノ島から買ってきた鶏肉。ターキーテイルなども購入して食べています。島にもニワトリはいます。朝とてもうるさいです。


イヌ。イヌも食べます。赤肉でとてもおいしいです。牛肉がなくても、犬肉で十分ですね。右側の写真は丸焼きになった顔です。
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海産物
ナマコ 魚類 甲殻類
海亀 貝類 タコ・イカ
ナマコ。島の現金収入で一番重要なものです。魚の値段は種類に関わらず 1.25$-1.5$/1ポンド なのに対し、ナマコは高価なもので 20$以上/kg します。過度な採集により、近い将来に資源が枯渇することは誰にもで予想できますが、それを止める権利は誰にもありません・・・。
右からpenichon(生)(乾燥で4$/kg)、penifu(生)(点々が多いやつ、乾燥で10$/kg)、penikapachi(生)(シミ・くすみがあるやつ、乾燥10ドル/kg)、echerewe(乾燥)(乾燥で4$/kg)、penichon(乾燥)(乾燥で4$/kg)、penifu(乾燥)(乾燥で10$/kg)、penimwarang(乾燥)(一番左・乾燥で25$/kg) 女性が持っているのは peinaper (パイナップル)というナマコ。高級です。


peinaper (赤いの)と penikapachi (黒めの)。両方とも乾燥重量で22$/kg。高価なナマコです。水深5m-10mの深いところにおり、採集が難しいようです。そのほかに高級なのは penikiacho と penimwarang です。 peinaper (パイナップル)の内臓を取り除く男性


いくつかの種類のナマコの内臓をとっています


内臓をとったあと、1〜2時間ほど茹で( kuk )ます。


その後2日ほど燻します( baikang ) そして2日ほど天日に干します( apwas )


天日干し 島の中にナマコ仲介グループが2つあります。そこで計量し、現金を得ます。
魚類




魚( iik )。様々な種類のものがあります。特にハタ系やブダイ系はおいしいです。ヒメジの仲間もよく獲れていました。




この日は新鮮な鰹( angarap )が手に入りました。まず包丁を研いで、慣れた手つきでさばいていきます。皮を引かないところが日本と異なります。醤油・柑橘果汁・唐辛子調味料( manakini )などをまぜるとできあがり。新鮮なので、もっちもっちとした食感。贅沢な一時。


魚のうろこを取り→ 直火で焼いてもよし


油であげてもよし


塩味で煮てもよし 醤油味で煮てもよし




干物( iike son 魚・塩の意味)も作っていました。まずうろこをとり、背側からひらき(日本と違いますね)、骨のついているほう、ついてないほうにそれぞれ切れ目をいれ(塩味が入るように)、水にいれてすすぐ。その後たわしでこすって洗い、塩漬けにする。一晩漬けたあと、塩抜きのために水洗いをして、天日に干します。めちゃくちゃ天気がよければ1日でいけますが、普通は2〜3日かかるそうです。
甲殻類
この少年があっという間にココナッツクラブ( masup )と蟹( nipwei )をたくさん捕まえました(ある小さい島にて) ココナッツクラブ( masup )。禁漁期間があります。一匹はかなり大型でした(左の写真で少年とココナッツクラブを比べてみてください)。


直火におきます。殻がすぐに真っ赤になります。じゅーっと音がなりはじめると、いい香り! ココヤシの新芽がお皿。


珊瑚と珊瑚をぶつけてハサミを割ります ココナッツクラブといえば、なんといってもその味噌でしょう。甘く、濃厚な味。これはやみつきです。


少年たちも満足げ 蟹( nipwei )


こんなに獲れました 蟹( nipwei )のココナッツミルクスープ

ウチワエビの仲間( urepoin )。
海亀


海亀も重要な食料となります。特に小さい島においては、豚肉や鶏肉などはめったに食べることができない食料でした。そのような中、海亀は「肉」の役割を果たしていたのかもしれません。ただし、資源保護のために禁漁期間があります。また、タイマイは肉に毒素が溜まっていることがあり、昨年もある島で6〜7人死亡する事件があったようです。
貝類
貝( kiiroch )。 塩茹でにして食べます


子供たちのおやつ代わり 女の子がむいてくれました


イモガイの仲間( nifares ) nifares を茹でて、中身をとりだします。その後内臓等を取り除くと左下の写真のようになります。

nifares 晩御飯のおかずに


nikomot ( amot とも)。タカセガイ(の仲間?)です。これは刺身。コリコリしてとてもおいしいです。もともとチュークにはなかったそうです。日本統治時代にラバウルでタカセガイを発見し、こちらへ導入したとのこと。昔はこれを採集し、中身をとりだし、量り売りにしていたそうです。ボタンの材料になります。 nikomot のココナッツミルクスープ(右側の器)。ココナッツミルクの甘み、適量な塩味、そして貝のだし。ご飯にかけて食べると、とてもおいしいです。


シャコガイの仲間。珊瑚にくっついているものは to 、砂浜にそのままいる大型のシャコガイは sri と言います。そのほかに、  anipwi と呼ばれる貝(筒状のもので、珊瑚にくっついている)も食べます。写真の大部分が anipwi です。

to と anipwi の醤油煮込み。やっぱり貝類もおいしいですね。
タコ・イカ
タコ( kus )。すもぐりで獲ります。女性でも採集できるので、重要な食料です。


茹でたあとに柑橘の果汁をかけたもの 醤油で煮たもの


イカ( nit )。男の子が口に何かをくわえていると思ったら、イカでした。海岸線から石を投げてぶつけて獲ったそう。一口もらいましたが、甘くて美味でした。
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人びと
調査でお世話になったピスの人びとです(写真は一部ですが)。この場をお借りして、感謝の意を表します。誠にありがとうございました。

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この調査研究は「ミクロネシアの小島における社会関係資本連携型のデング熱対策実践」(科学研究費基盤B、代表者:長嶋俊介、課題番号24402006)の成果に基づいています。




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