1:沿岸環境(河合 渓 担当) |
世界には多くの島が存在するが、それぞれの島によってその島の形成過程は異なっている。そして、大陸と比べると島は狭小性という特徴をもっている。そのためそこに生息する生物は、その小さな環境での小さな環境変動に強く影響を受けて生息している。また、島に生息する生物のなかには固有種や遺伝的に他の地域と大きく異なっている集団が多く、それらは特徴的な形態や行動を持つものが多い。本講義においては、様々な島の形成過程を理解し、異なる形成過程によって形成される様々な島の自然環境についても理解を進める。そして、地域固有な生物の生態の理解を進めると共に、その様な特徴的な形質を持つようになった適応的な過程についても理解を進める。最後に、島の周りに見られる海洋環境における生物の相互関係についても理解を進める。
キーワード:生物多様性、海、サンゴ
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2:島嶼環境衛生(大塚 靖 担当) |
島嶼学概論I(総合島嶼学)のイントロダクションとして、島嶼域の理解の基本となる島の特性やその区分、さらに鹿児島県の離島の状況についても学び、島嶼地域が持つ多様な地域性を理解します。健康は多くの地域で重要な関心事項です。特に島嶼地域では若年層を中心に人口減少が進み、高齢化が進展しています。島の活性化と住民の健康増進を目的とした“健康の島”づくりが求められており、タラソテラピーなど自然環境や地域資源を活かした取り組みにつて学びます。近年、新興感染症や再興感染症が世界的に大きな問題となっています。蚊が媒介するデング熱やマラリアなどは島嶼地域でも公衆衛生分野の重要な問題で、ハワイで流行したデング熱を例にして、これらの感染症が地域社会に与える影響とその対策をについて学びます。
キーワード:島の特性、タラソテラピー、感染症
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3:中之島における講義 |
鹿児島大学大学院全学横断型教育プログラム「島嶼学教育コース」の目的は、「南西諸島からアジア・太平洋島嶼域に関する様々な分野の授業科目を履修することにより、島嶼地域の要請に応え、国際島嶼社会でも活躍できる人材育成を目指す」にある。しかし、「島」へ行ったことがない、という学生も少なくない。そこで「島嶼学概論II」では、「島」をより深く理解するために、講義の一部を十島村中之島でおこなう。中之島の島民の皆様から島の現状(@教育、A農畜産、B漁業、CIターン)についての講義を受ける。また、実際に中之島を見てまわることで、「島」を体験する、そして「島」を考える機会を設けている。
キーワード:鹿児島県、十島村中ノ島、フィールドワーク
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