鹿児島大学 奄美群島島めぐり講演会
ふるさとの奄美群島が、世界自然遺産などで注目されるようになってきました。鹿児島大学でも、奄美群島の生物の多様性な どを研究し教育に生かすプロジェクトを進めています。その中でわかってきたことを中心に、群島の皆様に紹介する講演会を開くこと になりました。参加費は無料、事前登録も必要ありませんので、生まれ育った故郷について、この機会に少し勉強し直してはいか がでしょうか?
五島六か所にて、午後1時半開始(与論島は2時開始)、午後4時終了予定
参加費・事前登録不要
お問い合わせ先:
鹿児島大学国際島嶼教育研究センター奄美分室
〒894-0026 奄美市名瀬港町15-1 紬会館6階
電話:0997-69-4852
E-MAIL: amamist@cpi.kagoshima-u.ac.jp
第1回 徳之島(徳之島町役場 第4会議室)2019年4月13日(土)
「生物多様性の測り方・楽しみ方」 鈴木英治(国際島嶼教育研究センター)
地球の温暖化は摂氏何度上がったと表されます。では生物多様性の変化はどんな指標で表されるでしょうか?多様性の指標を作ることは、「多様性とは何か」を考えることから始まります。また、私たち自身が身近にある生物の多様性をどうやって捉え、楽しむかを考えてみます。
「ドローンを利用して島嶼の豊かな自然環境を測る〜スマート農業への利用〜」 平 瑞樹(農学部)
日本におけるドローン元年から2年が経過しました。法整備も進められ,操縦資格等の取得講習会が開催されています。比較的操 作が簡単なため,ヘリコプター等と肩を並べる空中農薬散布の手段として期待されています。ドローンを利用してどのようなことができるのか?島嶼の基幹産業である農業への利用の他,有効な利用方法についても皆さんと一緒に考えてみましょう!
当日の様子
- 鈴木英治教授
- 講演後の講師とのディスカッション
以下のメディアで講演会の様子が紹介されました
- 南海日日新聞 Website 2019年4月14日
- 南海日日新聞 2019年4月14日 p.1
- 奄美新聞 2019年4月14日 p.9
第2回 沖永良部島(和泊町防災センター)2019年4月27日(土)
「奄美群島のサンゴ礁生物多様性」 藤井琢磨(国際島嶼教育研究センター)
奄美群島は、世界的にも多様な生き物の営みが見られる温暖な海域”サンゴ礁域”の北限近くに位置し、島ごとに様々な海中景 観が見られます。本講義では”サンゴ礁域における生物多様性とは何なのか”を解説すると共に、“青く美しい海”という安易な表現では収まりきらない、奄美群島で見られる海洋生物の奥深さを紹介します。
「ドローンを利用して島嶼の豊かな自然環境を測る〜スマート農業への利用〜」 平 瑞樹(農学部)
日本におけるドローン元年から2年が経過しました。法整備も進められ,操縦資格等の取得講習会が開催されています。比較的操 作が簡単なため,ヘリコプター等と肩を並べる空中農薬散布の手段として期待されています。ドローンを利用してどのようなことができるのか?島嶼の基幹産業である農業への利用の他,有効な利用方法についても皆さんと一緒に考えてみましょう!
当日の様子
- 講演会の様子
- 講演会の様子
以下のメディアで講演会の様子が紹介されました
- 南海日日新聞 2019年4月28日 p.9
第3回 喜界島(喜界町役場トレーニング室)2019年5月 11日(土)
「世界のなかの奄美の植物」 宮本旬子(理工学研究科)
奄美群島には固有で希少な植物が「たくさん」あり、世界自然遺産推薦の理由のひとつになりました。でも、「たくさん」てどのくらい?なぜ「たくさん」あるの? 喜界島には「たくさん」ないの? などなど、いろいろな疑問が浮かびます。また、昔から島にある在来植物と、近年になって入ってきた栽培植物や外来雑草なども「たくさん」あります。地球規模での島々の植物の有り様を地元の皆さんと一緒に考えてみたいと思います。
「喜界島の地形・地質・災害」 井村隆介(共通教育センター)
喜界島は、琉球弧で最も早い隆起速度を持つ島です。喜界島の地形の特徴とその生い立ちについて、奄美の他の島々と比較しながら考えるとともに、隆起の原因とされる大きな地震やそれに伴う津波災害についても考えてみたいと思います。
当日の様子
- 講演会の様子
以下のメディアで講演会の様子が紹介されました
- 南海日日新聞 2019年5月15日 p.9
第4回 奄美大島 龍郷町(生涯学習センターりゅうがく館 講堂)2019年5月25日(土)
「絶滅危惧種・リュウキュウアユの生態について」 久米 元(水産学部)
リュウキュウアユの野生個体群は奄美大島のみに生息しており、現在では環境省により絶滅危惧IA 類に指定され、地元の方々に大切に保護されています。リュウキュウアユが奄美大島の河川と海でどのように生活しているのか紹介します。
「奄美群島の果樹遺伝資源とその利用」 山本雅史(農学部)
奄美群島では固有の在来果樹遺伝資源と海外から導入された品種が生育・栽培されています。これらの多くは亜熱帯性気候に適しており、温帯である日本の他の地域ではあまり見ることのないものです。これらの果樹について紹介するとともに、その保存やそれらを利 用した島の活性化についても考えたいと思います。
当日の様子
- 山本雅史教授
- 講演後の講師とのディスカッション
以下のメディアで講演会の様子が紹介されました
- 奄美新聞 Website 2019年5月26日
- 奄美新聞 2019年5月26日 p.9
第5回 与論島(中央公民館 大ホール) 2019年10月19日(土)
「江戸時代の南西諸島における陶磁器流通」渡辺芳郎(法文学部)
江戸時代の南西諸島では、本土からは肥前地方(佐賀・長崎県)の陶磁器や鹿児島の薩摩焼が、南からは沖縄を経由した中国の陶磁器(清朝磁器)が、さらに沖縄で作られた陶器(壺屋焼)が流通していました。島の人々がどのような陶磁器を生活に使って いたか、その具体的な姿を、遺跡の発掘調査を通じて得られた考古学資料などから明らかにします。
「奄美・沖縄諸島の先史時代:奇跡の島々?」高宮広土(国際島嶼教育研究センター)
地球儀でみると奄美・沖縄諸島の島々は点でしかありません。このちっぽけな島々には約3万年前からヒト(Homo sapiens)がい て、貝塚時代という狩猟採集漁撈民の時代を経て、グスク時代に農耕が始まり、首長社会が成立し、最終的に沖縄島で国が成立し ました。と、いとも簡単に奄美・沖縄諸島の先史時代が語られることが多々ありますが、これらを世界史的にみると世界的に大変稀な文化現象であったことがわかります。本講義では、これらの点について紹介します。
当日の様子
- 高宮広土 教授
- 渡辺芳郎 教授
以下のメディアで講演会の様子が紹介されました
- 奄美新聞 2019年10月28日 p.9
第6回 奄美大島 瀬戸内町(瀬戸内町立図書館・郷土館)2019年11月16日(土)
「アマミノクロウサギを知ろう!〜野生動物と私たちの暮らし〜」鈴木真理子(奄美野生生物保護センター・元国際島嶼教育研究センター奄美分室)
奄美群島に生息する哺乳類は、すべて固有種や固有亜種と呼ばれる「ここにしかいない」生物です。これまで調べられた研究や観察 を参考に、アマミノクロウサギの生態をご紹介します。また、アマミノクロウサギを例に野生動物と私たちの間にどのような問題があるのかを ご紹介し、その解決策についてともに考える場にできればと思います。
「世界遺産からヘリテージ・ツーリズムへ観光・経済」 萩野 誠(法文学部)
奄美大島は世界自然遺産によるエコツーリズムで沸騰しているようにみえます。観光業はリスクがともなうものですが、ヘリテージ・ツーリズムには、リスクを軽減する方策が多々あります。この手法を講義することで、瀬戸内町が奄美群島の観光拠点となることを示したいと 思います。
当日の様子
- 会場の様子
- 講演後の講師とのディスカッション
以下のメディアで講演会の様子が紹介されました
- 南海日日新聞 2019年11月17日 p.9