島嶼研シンポジウム
「島々とアジア・太平洋戦争―記憶の継承・保存・活用を中心に―」
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日時:平成30年3月4日(日)13:00~17:30
会場:鹿児島大学総合教育研究棟203号室
中継:国際島嶼教育研究センター奄美分室
主催:鹿児島大学国際島嶼教育研究センター
参加費:無料 |
・プログラム ・要旨
●趣旨
アジア・太平洋戦争から70年以上が経過した現在、戦争を直接経験した世代の方々が少なくなりつつあり、当時の状況を知る「生」の声が失われていこうとしている。それゆえ、近年では戦争体験をいかに記録し、戦争を知らない世代に継承していくのかという問題について関心が高まっている。 周知のとおり、アジア・太平洋戦争が展開される中で、日本は朝鮮半島や台湾において植民地統治を行い、「帝国」としてアジアの広い領域に影響を与えていた。日本の周辺に存在する島々は、「帝国」の領土が拡大する過程でその一部として取り込まれていくこととなった。その結果、島嶼は政治的にも経済的にも「帝国」による支配をうけるとともに、その周辺性がゆえに戦況が変わると容易に最前線の戦闘地にもなりえる場所でもあった。そもそも、島嶼という地域は、その地理的な条件も相まって政治経済的中心部から遠く隔たれている場合が多く、その分政治的にも経済的にも不利な条件におかれている。ましてや、戦争という非常事態の中ではさらに厳しい条件下におかれたことが容易に予想される。それゆえ、島嶼社会でどのように戦争が経験されたのかという問題について考えていくことは、戦争と社会の関係を考える上でも重要な課題のひとつだといえる。 以上を踏まえて、本シンポジウムでは、島嶼地域において戦争がいかに経験されてきたのかという問題に焦点をあててみたい。今回は、鹿児島県の離島である奄美大島や小笠原諸島、そしてかつて日本統治下にあった済州島にてフィールドワークを行う研究者から最新の研究成果を報告してもらう。その上で、戦争体験の保存と活用という問題や、島嶼と戦争の関係について理解を深める機会としたい。
●プログラム
12:30 開場・受付
13:00 開会・趣旨説明
13:10 『済州島の日本軍の戦跡地と住民の戦争記憶―Alddreu飛行場を中心に』
●趙誠倫(鹿児島大学国際島嶼教育研究センター・済州大学校)
13:45 『硫黄島民(東京都)の戦争体験とその記憶―強制疎開、地上戦動員、故郷喪失』
●石原俊(明治学院大学社会学部)
14:25 休憩
14:40 『奄美大島 瀬戸内町の戦争遺跡について』
●鼎丈太郎(瀬戸内町教育委員会)
15:20 『戦争の<記憶>を未来につなぐ』
●佐藤宏之(鹿児島大学教育学部)
16:00 コメンテーターによるコメント
●西村明(東京大学文学部)
16:45 総合討論
17:30 閉会
●ポスター
(ポスターpdf)
●問い合わせ先 連絡・問い合わせ先
鹿児島大学国際島嶼教育研究センター
〒890-8580 鹿児島市郡元一丁目21-24
電話:099-285-7393 Fax:099-285-6197
E-mail: shimaken@cpi.kagoshima-u.ac.jp |