国際島嶼教育研究センター
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研究会などの記録 
2000年(多島研)

  • 2000年12月18日(月)第20回多島研センター研究会
    林 満(鹿大農学部
    オセアニア在来のヤムイモの特徴
    16時30分 多島圏研究センター会議室
  • 2000年11月29日(水)第19回多島研センター研究会
    Lino BRIGUGLIO(マルタ大学 島嶼及び小国家研究所
    小島嶼発展途上国の経済的脆弱性を測定する
    16時30分 多島圏研究センター会議室

    [要旨]  小島嶼の発展途上国の多くは、現実にはもろい経済であるにもかかわらず、人口1人あたり国民総生産(GNP)が相対的に高い数値を示す傾向があり、経済的に強いという印象を与えてしまう。脆弱性指標(vulnerability index)の開発が必要とされたのは主としてこのような事実が背景にある。この報告では、脆弱性指標を構築するにあたっての理論的根拠を説明し、このような指標の構築に関連する主な研究成果を概観する。さらに、脆弱性指標の作成に利用される統計学的方法論ならびにこの種の指標の構成にともなういくつかの問題について検討する。

  • 2000年11月27日(月)第18回多島研センター研究会
    Peter Matthews(国立民族学博物館
    タロの遺伝的多様性と調理上の知識の保持
    16時30分 多島圏研究センター会議室

    [要旨]  タロに関する近年の電気泳動法による調査の主要なものを見てみると,ルボほか (2000) は,東南アジアとメラネシアには,ふたつにはっきりと分かれる遺伝子プールがあり,それはきっとウォーレス線を境におのおので自然に起きた種分化の反映であろうと結論した.わたくしは最近,「異なった栽培品種はそれぞれのしかたで使用するから,調理上の知識の保持がタロの遺伝的多様性にとって非常に重要であり,またその逆も真なり.」と結論付けた.つまり,「上記ふたつのうちの一方がなければ,他方もなくなってしまうかもしれない.」ということである.今回わたくしは,太平洋域におけるタロ栽培の将来をうらなう遺伝学的なデータと民族誌によるデータに潜む意味合いを考察することにする.

  • Tatoiki Forum2000年10月8日(日)シンポジウム「海と陸のはざまでの『場所の力』―南九州と南の島々からの視座」
    9時30分-16時30分 鹿児島大学稲盛会館ホール
    多島圏研究センターと日本地理学会の共催で開かれます。 (日本地理学会のお知らせプログラムを見る)
    どなたでもご自由に参加いただけます。
    プログラムを見る
  • Tatoiki Forum2000年10月1日(日)島をかたるつどい
    生島常範(喜界町商工会)・大城晃(座間味村むらおこし課長)・青山亨(多島研)・桑原季雄(法文学部)
    13時00分-16時30分 鹿児島大学 大学院連合農学研究科棟(本部正門を入ってすぐ左の建物)3階
    島におけるさまざまな生き方、島おこしのあり方を自由に語りあうつどいです。国内からは奄美群島の喜界島、慶良間列島の座間味島の事例を、海外からは昨年多島圏研究センターが調査をおこなったミクロネシアのヤップ島の事例を報告します。

    [要旨01 生島]
    島で生まれ育ち、15歳の時、進学の為島を離れて以来九州、関東、中国(台湾)と住む所を変えながら生きて来た私を内から支えてくれたのは「島っちゅとしての誇り」だった。16年の島外生活を経て32歳で帰った夢にまで見た故郷だが、なんと「カルチャーショック」で悩むとは・・・。地縁血縁という密な人間関係ならではの葛藤の中で暮らしながら、私は常に「Enjoy My 島 life ! 」の生き方を仲間達と共に模索して行きたいと思っています。
    [要旨02 大城]
    島には、都会にない地域独特の自然があり、先人達から継承されてきた個性的な生活文化があります。地理的条件による交通アクセスの不便や、施設の不備等のデメリットを、メリットに置き換える発想を普段から持つように心がけ、島にある個性的な自然や文化を資源とし、その資源に付加価値をつけることを認識し、有効活用を図ることを考える。そして、自然体で且つ新鮮な目で、島のよさを見、接するように努めることにより、島に生きるよろこびをもてるものです。(あくまでも、自然体で。)
    [要旨03・04 青山・桑原]
    ミクロネシアのヤップ島は「石貨の島」で知られる石垣島ほどの小さな島で、人口は7千人(1994)。石畳の道路、集会所、男子小屋、家屋の前の大小の石貨、独特の土地制度、村ごとのダンスやタロイモを主食とする食文化など豊かな伝統文化がある。この報告では、前半で、ヤップ文化の再創生の取り組みとして州政府が力を入れているヤップ・デーと呼ばれるフェスティバルについて、後半では、伝統の保存・継承に目覚め、村の修復・整備を行い、観光客に村を開放するようになったカダイ村の積極的な観光化の歩みについて紹介する。

  • 2000年9月4日(月)第17回多島研センター研究会
    桑原季雄 (法文学部)・大坪加代(法文学部院生)
    観光人類学とバリ島
    16時30分 多島圏研究センター会議室

    [要旨]20世紀に顕著に生じ、かつ多くの民族に大きな影響を与えた「20世紀現象」と呼 >ばれるグローバルな現象の中に「観光」があり、今や観光が世界の諸民族文化に大きなインパクトを与える時代になっている。1980年代に、多くの開発途上国が「工業立国」よりも、豊かな自然や多様な民族文化を活用する「観光立国」に向けて、 国際観光の促進に力を投入してきたが、「新・植民地主義」や「新・帝国主義」と 批判される状況も生まれてきた。人類学においては、当初、観光の問題はそれほど重視されなかったが、1970年代以降、多面的な研究が行われるようになってきた。本報告では、前半でこうした観光の人類学的研究の歩みを簡潔に紹介し、後半で、バリ島を事例に、観光人類学の新たな可能性を展望する。

  • 2000年7月24日(月)第16回多島研センター研究会
    高 鮮 (水産学部)
    島を巡る国家と国、国民と住民または出身者、それぞれのアイデンティティ
    16時30分 多島圏研究センター会議室

    [要旨] 島の中には、島自体が一つの国である。その国は、一つの国家を形成していたこともある。歴史的な状況によって、島はより大きな国家に組み込まれることもある。それでも、島の人々にとって、国であることは有効である。今日、人の移動が広範囲に渡り比較的自由であり、様々なボーダーが曖昧になりつつある。それは、これからも続くであろう。しかし、そこで、人間がより自由になるために新たに登場する、さらなる境界線。






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