国際島嶼教育研究センター
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ミクロネシア連邦ヤップ州のウリシー環礁(Ulithi Atol)での調査
目的

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  海洋中の小島嶼は近隣周辺の島嶼とのあいだで人・もの・情報・資本が互いに交換されるネットワークを形成しています。このような相互関係にある複数の島嶼の集合体を「多島域」(island-zone)と呼びます。そこでは、海洋は、島嶼を外部から隔絶するだけではなく、条件によっては外部とのつながりを可能とする媒体として機能しています。
  この学術調査は、1999年(平成11)に始まった多島圏研究センターの研究プロジェクト「多島域における小島嶼の自律性」の一環として、南太平洋を対象として、「多島域」の特性について総合的かつ学際的な調査、研究を行うことを目的としています。本研究プロジェクトの第3年次にあたる本年度は、第1年次におこなったミクロネシア連邦ヤップ州ヤップ本島部での調査を踏まえて、ミクロネシア連邦ヤップ州のウリシー環礁(Ulithi Atol)を調査地とします。
  ヤップ州はミクロネシア連邦4州のうちもっとも西側に位置しています。州都コロニア(Colnia)があるヤップ本島部は、西カロリン諸島の中央に位置し、グアム島からは南西へ約800kmの地点に位置しています。今年度の調査地であるウリシー環礁は、ヤップ本島部の北東約160kmの位置にある、世界でも4番目に大きい環礁です。総面積541km2の環礁内に49の島があるが、陸地総面積は4.6km2にすぎず、ファラロップ、モグモグ、アソル、ファサライの4島に約1000人が居住しています。
  ウリシー環礁は、ヤップ州の東半分に散在する離島環礁群のなかでもっとも西方に位置し、歴史的に隣島部と本島部との中継地としての機能を果たしてきました。今回の学術調査では、ウリシー環礁が、不充分な人的・自然的資源の問題を克服し、多様な自然環境や社会文化的な特性を維持しながら、多島域内の他の島嶼であるヤップ本島部および他の離島群との関係、さらに域外の地域と関係を維持しつつ、長期的に安定した島嶼社会の運営を行うための諸条件を探ることを目的とします。





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