国際島嶼教育研究センター
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島嶼災害の特徴と防災
日時:平成27131日(土)  1300 1700
会場:鹿児島大学共通教育棟2号館211号教室

参加費:無料

・案内ページ   ・当日の様子

  平成27年1月31日(土)に鹿児島大学国際島嶼教育研究センター・鹿児島大学地域防災教育研究センター主催で鹿児島大学シンポジウム『島嶼災害の特徴と防災』が開催されます。皆様のご参加をお待ち申し上げます。


●趣旨
  災害県鹿児島は日本屈指の島嶼県でもある。島々は南北600Kmにも広がり、離島総面積は、本島を含む沖縄県よりも大きい。台風被害も、強い勢力のまま上陸するため、激甚になる。火山被害も数多の島々で、国際級の被害史を経験している。津波被害・原発被害・暴風雨被害・地滑り被害・豪雨被害等に島独自の被害傾向・特徴・懸念がある。それは避難訓練・復旧復興策にも通じる。島嶼防災でも、島事情から来る諸問題が山積している。通常の対策以上に何を準備し、万全を期したらよいのか、現場である島側の経験も踏まえて、学際的に議論したい。会場からの積極的発言にも期待したい。



●プログラム

13:00 開会

13:05 基調講演
     「島嶼の自然災害(火山等)と防災を考える」
        ●小林哲夫(鹿児島大学理学部)
  •  鹿児島の南方海域にはいくつかの火山島(薩摩硫黄島、口永良部島、口之島、中之島、諏訪之瀬島、横当島、硫黄鳥島)が存在している。今回の講演では歴史時代に大噴火をした桜島(当時)と諏訪之瀬島を例に、離島における防災についての考えを報告する。

13:55 休憩

     シンポジウム・島嶼災害の特徴と防災

14:00 「災害時のコミュニティFMの役割」
        ●麓 憲吾(特定非営利活動法人ディ!)
  •  あまみエフエムは2007年に九州管内初の離島の開局となり、島ッチュの島ッチュによる島ッチュのための島ラジオとしてアイデンティティの獲得をテーマに島の情報に特化したコミュニティFMである。2010年の奄美豪雨災害時では災害情報を24時間5日間連続放送し、マスメディアでは伝えられない情報を届けた。災害時の情報伝達や活動が、平時のコミュニティにおけるコミュニケーションの成り立ちにより、減災へと結びつけることを報告する。

14:20 「島嶼の自然と津波防災―奄美型の避難計画を考える」
        ●岩船昌起(鹿児島大学地域防災教育研究センター)
  •  地形との関連で津波防災を考えると、標高数mの「沖積平野」上に立地する集落は、標高数10mの「海岸段丘」上の集落よりも被災しやすい。一般に「高い島」と「低い島」に大別できる南西諸島の島々の中で、奄美大島は山地・丘陵地が突き出た「高い島」であるが、人々の大半は海沿いの沖積平野に居住している。また大島では“お元気”であるものの体力レベルが若者より相対的に低い高齢者が多く、「避難行動要支援者」の割合も高い。自然度が高い山地に危険生物のハブや希少生物のアマミノクロウサギなどが生育しており、世界遺産指定間近で観光資源として自然の保護・保全も図る必要があることを考慮すると、防潮堤や高台の避難所など防災施設の整備よりも、都市域外での車を活用した避難計画など、奄美型の津波防災施策を総合的に講じるべきであろう。

14:40 「三島村硫黄島:火山の恵みと防災」
        ●大岩根尚(三島村ジオパーク)
  •  三島村の薩摩硫黄島は、鬼界カルデラの北西縁に位置する火山島である。島の東部に位置する活火山の硫黄岳からは現在も活発な噴気や熱水による海水の変色がみられ、見事な景観をなしている。島民は海沿いの低地を居住地としながら、1000年ほど前から硫黄や硅石の採掘のために硫黄岳火口までの登山を続けてきた。また近年では硫黄を使った花火や、温泉の海でのシーカヤックなどを企画しており、火山の恵みを多く受けて生活している。一方で2013年には小規模な噴火も起こっており、行政としては災害を警戒し続けている。警戒の一環として、全島民が参加する避難訓練を毎年行っている。本講演では、硫黄島の火山を活かした取り組みと防災訓練の実例、その中での小規模離島ならではの課題について紹介する。

15:00 「島嶼災害の特徴多様性と地域社会」
        ●長嶋俊介(鹿児島大学国際島嶼教育研究センター)
  •  島嶼性の強い地域での災害には、特有の傾向がある。遠隔・隔絶、狭小・低島、環海・高島は、それぞれ救援・予知・避難指示・避難方法、被災強度・速度・頻度、波及期間等に影響を及ぼしてきた。安全・安心・安定的島嶼生活は、その持続可能性の前提である。耐えて凌ぎ乗り切るための団結力と知恵と工夫は、島文化・技術・社会ルールの骨格をなしてきた。また災害による集団移住経験等も枚挙に暇がない。地球温暖化・異常気象・人災的危機にも対応できる現在的・近未来的な最先端の対応とは何なのか。「水と光の革命」以降克服してきた諸リスク対応史を総括し、島に生きる主人公たちを支える、総合的・総括的で機動力確かな防災システム・災害対処ガバナンスを考察する。

15:20 休憩

15:30 総合討論

17:00 閉会




ポスターjepg


●問い合わせ先
鹿児島大学国際島嶼教育研究センター  〒890-8580 鹿児島市郡元1-21-24
電話099-285-7394  FAX099-285-6197  E-mail: shimaken@cpi.kagoshima-u.ac.jp




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