国際島嶼教育研究センター
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研究会などの記録 
2018年(島嶼研)

  • 国際島嶼教育研究センター第185回研究会
    2018年2月19日(月)16時30分 総合教育研究棟5階

    「島外出産を経験した母親の妊娠期・分娩期における思いやニーズ―フォ―カス・グループ・インタビューを通して―」

    中尾優子・井上尚美(鹿児島大学大学院保健学研究科)


    [要旨]
     日本は産科医不足や助産師の偏在化により、離島やへき地の周産期医療に携わる医療従事者の不足が顕著になっており、健診や分娩場所について妊産婦への負担が予想される。今回、島外出産を経験した母親にフォーカス・グループ・インタビューを行い、母親の思いやニーズを明らかにした。対象は、A島に居住する島外出身者母親6名と島内出身者4名であった。分析の結果、17のサブカテゴリーと【産科施設が無い島内で妊娠生活を送る大変さ】【家族の存在が大きいことへの気づき】【島外生活のやるせなさ】【付きまとうお金の心配】【この妊娠を守りたい】の5つのカテゴリーが抽出された。また、『島外生活の支援を充実させてほしい』『島内で産みたい』『妊婦健診時にアドヴァイスがほしい』『助産師に相談する機会が欲しい』『島と病院がより連携してほしい』の5つのニーズが抽出された。島外、島内出身者共に支援を強化していくことが必要であり、特に島外出身者においては、妊娠中の支援が必要であることが示唆された。島外出産を支援するために、島外での出産の情報の提供やピア・サポート・グループの利用など支援システムの充実が必要である。



  • 国際島嶼教育研究センター第184回研究会
    2018年1月22日(月)16時30分 総合教育研究棟5階

    「南洋群島の朝鮮人―ヤップ島地域におけるコプラ産業と朝鮮人―」

    趙誠倫(鹿児島大学国際島嶼教育研究センター、国立済州大学)


    [要旨]
     この研究はヤップ島地域で活動した朝鮮人商人たちがコプラ収集活動に従事したことを確認して、彼らを通じて南洋群島での朝鮮人の適応戦略を検討する。
     韓国の濟州島に住んでいる高斗星氏は1934年生。ヤップ島で生まれ、7歳まで住んでいたが、1940年に家族と一緒に済州に戻った。その父高明黎は1921年に日本人の紹介でヤップ島に移住した。彼はそこで店を開いて商売をしながら、原住民たちからコプラ(Copra)を収集した。
     一方、黃永三はサタワル島に居住しながら、住民を動員してコプラを収集した。彼は住民らに殺害されたが、その後に土方久功がその島に入る。黄に関する資料は土方久功の記録を通じて確認できる。土方久功はそこに弟子と一緒に入って、コプラ収集商の役割をしながら、他方では民俗学者として、芸術家として作業を継続する。
     高明黎と黃永三、両ケースは太平洋戦争以降に強制動員された朝鮮人たちと違って、自ら南洋群島に行って商業活動に従事したケースだと考えられる。朝鮮人が南洋群島の島で事業で成功するためには、現地日本人社会の認定を受けて彼らのネットワークの中に入ってこそ可能なことだっただろう。




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