硫黄鳥島・与路島学術調査 |
硫黄鳥島周辺の海藻類と生育環境 |
硫黄鳥島・与路島学術調査
硫黄鳥島周辺の海藻類と生育環境
硫黄鳥島の東部および北東部沿岸において海藻類の生育調査をおこなった。
東海岸は離岸距離200mほどの小規模なさんご礁リーフが形成されており、リーフ外縁は沖合方向になだらかに傾斜していた。火山性の岩盤上にさんご群集 が発達しており、海藻類はキクヒオドシやエツキシマオオギ、マユハキモなど、南西諸島のリーフ外に生育する熱帯性小型海藻が多数見られた。リーフ内は温 泉水の流入等の影響で透明度は低く、海藻類は少ない。しかし、ミズタマやヒナカサノリ、ウスガサネなどの小型海藻が低潮線付近の岩上に点在していた。
北東部にはさんご礁リーフは見られず、海岸線から沖合方向になだらかに傾斜していた。底質は火山性の岩盤で多数のクレバスや洞窟が形成されていた。沖合 約500mで水深15m前後あり、岩盤の岩陰に熱帯性の小型海藻が多数見られた。
藻場を形成するような大形の海藻類はほとんどないが、体長10cm未満の小型海藻が底質を覆うように高密度に生えており、南西諸島黒潮影響域のリーフ外 に見られる典型的な海藻植生が観察された。出現海藻は近傍の奄美大島や沖永良部島、沖縄本島に見られる種が多いが、生育量の多いことが特徴のひとつと言 えよう。
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硫黄鳥島カマスの群 |
硫黄鳥島キクヒオドシ
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硫黄鳥島コケイワズタ
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硫黄鳥島エツキシマオオギ
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硫黄鳥島マユハキモ
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硫黄鳥島潜水調査風景
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硫黄鳥島潜水調査風景2
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